山小屋閉鎖までの期間が尾瀬を楽しむ期間です

一般的に考えられる紅葉、つまりカエデ類は尾瀬にはあまり見られません。

沼畔や尾瀬が原の周辺部に若干みられるだけで、その数は少なくなっています。カエデ類は群馬県側の峠の外側に多く見られ、紅葉期の美しさはほかに比類がないものとなっています。ですが尾瀬の内側には、紅葉に代わるものとしてナナカマドやツツジ、ブナやカツラがそれぞれ赤や黄色に色づいて、針葉樹林の深い緑の中に華麗なコントラストを与えているのです。この華麗なコントラストも長くは続かず、一度でも霜が降りてしまえば終わりになってしまいます。

この後の尾瀬は何の変哲もない枯れ葉色一色で、山々の頂にはいつしか新雪が降り氷が固く厚く張ってくるのです。こうした季節であっても、人はやってきます。本当に静かな尾瀬を味わうためには、枯れ葉色に染まってから半月、尾瀬の山小屋が閉鎖するまでの間が短くても最適な期間です。雪が降り積もるまでにはまだいくらかの時間があり、風も吹かない小春日和の静かな日差しがさす日が多くなってきます。

この間に山小屋は、雪よけのために窓に板を打ち付けたり外回りを囲ったり余分な寝具を片づけたりするのです。春の山小屋開きの時と同じく山人たちが大わらわになる季節なのですが、一年の始まりとなる春とは違って一年の終わりという気持ちが反映するのか、あわただしいも物音とにぎやかな人声の中に、一抹のさみしさが漂う風情を味わうことができるのが良いところになります。

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